患者の看護を行う上で、生活改善を求めることはよくあります。看護師にとって、いかに納得した上で患者に生活改善の取り組みを行ってもらうかは重要な要素であり、一種のスキルともいえるでしょう。得意か不得意かにより、指導効果が得られるかどうかに違いが生じるのも確かです。しかし、生活改善を求めるときには患者にどのようにしてうまく伝えるかを考えるのと同じくらい重要なことがあります。
患者は1人で生活しているわけではないので、患者の周囲にいる人たちにも指導を行って配慮してもらえるようにすることが肝要です。いつも一緒に生活している家族であれば、食事の内容や運動の習慣などについて目をかけてもらうのは簡単でしょう。それだけでなく、友人などにも指導を行っておくと、患者に対して何度も生活改善の必要性について伝えられる機会が増えると期待できます。看護師の言葉では信じられないという患者でも、友人の口から聞かされると確かに必要かもしれないと考えてくれることもあるでしょう。
特に周囲への指導が重要になるのは生活習慣病の患者であり、日常生活の中で気を払わなければならない点が多くなりがちだからこそ周囲からの助けが役に立ちます。また、子供や高齢者が患者の場合にも本人の自覚が浅いことが多いので、家族の協力が重要になるでしょう。看護師が患者に対して生活改善を求めるときには、周囲も同時に重視するという視点を持つと指導の効果が上がっていきやすくなります。